こんにちは。今年で3年目を迎え、数を重ねるごとに規模が大きくなってきたGEISAIですが、内容的にも少しずつ変化してきたように思います。
GEISAIは日本におけるアートの可能性、欧米型ではない独自のアートマーケットの発展を目指したものです。参加アーティストの作品の展示即売をはじめ、コンペ、コンサートなど、様々な要素が集合する場所、つまり学園祭のような、参加する人も見に行った人も楽しめるイベントなのです。
当初、開催の参考にしたコミックマーケットなどのオタク的イベントとは、裾野を広げるということ以外は、実際には客層も内容も全く違ったものへと発展していきました。それを強く感じたのは、先日行ってきたスイスの「バーゼルアートフェア」でのこと。世界中からアートの有名コレクター達がわんさか押し寄せてくる場所です。出展ギャラリーも、このフェアのために造り下ろした新作品やニューフェイスのお披露目などを用意してくるので、コレクター達にとって「発見」のある場所になっています。ですから、会場がオープンする直前の1時間ほどは、なんだか、コミケやワンフェスのような、オタク祭典的な「走れ!」といった殺気だったムードも漂っていました。もちろん欧米と日本とは、アートを買うお客さんが違います。まだ欧米のようなコレクターが育っていませんし、そのような土壌もありません。
しかし「大衆」という一つの括りしかない日本だからこそ、できることがあるのでは、と思うのです。 それは、やはりGEISAIじゃないかと。
GEISAIを学園祭のイメージだけで終わらないように、もっといろいろな人に知ってもらいたい。例えば、今までファッションを、インテリアを買っていたような人にも来てもらいたいし、もっと気軽にアートに関心を持ってもらいたい。そのためには、GEISAI自体を、より成熟させていくことも必要だと考えています。アーティストはもちろん、アートコレクターやアート関係者だけでなく、すべての人にとってGEISAIは「発見」のある場所であるべきなのです。
(GEISAI#6 パンフレットより)