GEISAI#3

「アート維新」で生き残り、君はサバイブできるか?

皆さん、こんにちは。 当イベント「GEISAI」のチア マンの村上隆です。

「GEISAI」立ち上げから1年。 「若手アーティストの登竜門コンペ」と「アートフリーマーケット」そして「芸術のお祭り」を同時に 行う革命的でありたい!と思っている"芸術の祭典"「GEISAI」シリーズも、 いよいよ3回目を迎えました。

振り返れば、昨年春の「GEISAI-1」(東京タワーアミューズメントホール)から、 夏の「GEISAI-2」(東京ビッグサイト)へと間髪入れずに開催! 我々も慣れないイベント運営に苦しみながらも、皆様からの御指示と御鞭撻、圧倒的な叱咤激励を頂き、業界からの賛否両論を巻き起こしつつ、今回も開催にこぎつける事ができました。 しかし3回目がこんなに大変だとは思いませんでした。 2003年の「GEISAI」は改めまして「アートで世直し」、「アートの維新」にステ-ジを進めたいと思います。現在は"アートシーン無き日本"という荒れ地を開墾している状態ですが、 確実にアートシーンに風穴が空きはじめています。 そしてそれは日本国内だけでは無いと言えましょう。革命は既に始まっているのです。

今回の「GEISAI-3」はこれまで2日間だった会期を、「1日のみ」へと変更。これは「審査、発表、イベント、販売、その全てを1日に圧縮して"イベントの集中力"を高めたい」という我々の大きな方向転換であり、常に変化し続ける、「GEISAI」からの新しい提案。つまり主催者、出展者、お客さん共に緊張感を持って過剰に熱量をアップさせる「新しいしくみ」なのです。

他、変化した点と言えば、今回は会場を港、横浜に移し「パシフィコ横浜」にて開催いたします。この会場はアートファンには記憶に新しい、国際展「横浜トリエンナーレ」が行われ、また日本発の国際アートフェア「NICAF」も行われた場所、つまりアート業界に対して異議申し立てをして行くには、コンテクストが満載の会場なのです。

これら先行イベントに対し「GEISAI」が何を見せるのか?歴史や記憶を初期化し、皆さんと共に新しいアート革命の現場を立ち上げたいと思います。その意味で今回の「GEISAI-3」は一般出展者に注目してください。と言うのも、今回は発売予定の1,015を上回るブース申し込みが殺到。この事態を実行委員会で考慮した結果、「GEISAI-2」で好評を得た企画プロアーティスト達による「アーティストブース」は完全に撤廃。その分、一般参加ブースを増量させて頂きました。

この方針転換により、今回の盛り上がりは一般ブースの皆様、ひとりひとりの手に託したいという思いがあります。来場者の目はネームバリューにとらわれることなく、皆さんのブース、作品のひとつひとつに注がれます。この責任は重大。審査員ならず、来場者との真剣勝負が待っている。まさに正真正銘、参加者一人一人が主役であり、観客1人1人がその状況を造って行くのです。

加えて、「アート世直し」を提示する「GEISAI」が送る関連イベント『GEISAI大学』も活発化しています。より強度のあるアーティストを育てる為に、毎月1回、私、村上隆の指導により「プロアーティストへの道」「作品の適正な価格説明」などGEISAI出展者を側面からサポート。美術系学校の授業では教えてくれない「現場」からのリアルな講義は、言わば「明治維新」の原動力となった人材を多数輩出した、吉田松陰の「松下村塾」のようなもの。果たしてレクチャーを受けた出展者に「GEISAI-3」で意識革命が生まれるか? まぁ、これは言い過ぎですが…。楽しみな見どころの一つです。

「おもしろくもなき世をおもしろく」と言ったのは、その明治維新の中心人物、高杉晋作ですが、アートシーン無き日本で「芸術の祭典」を構築しようとする「GEISAI」スピリッツを集約している一言。ご来場者の皆さんは、会場の隅から隅まで目を光らせて、まだ見ぬ「アート原石」達の手ごたえを感じとり、この「非日常の祭り」にどうぞ参加してください。

(GEISAI#3 パンフレットより)